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1.素材

技術が発達し、現在の新築住宅のほとんどは工業製品を組み合わせることで成り立っています。
工業製品は均質なものを大量に供給できることが最大の利点ですが、表情のない工業製品ばかりに囲まれた空間というのは本当に心地よい空間なのでしょうか。
反対に古くから使われてきた木・漆喰・石などの「自然素材」は大量生産には向きませんが、天然の素材でしか表現することのできないぬくもりを感じる空間になります。
例えば同じ白でもコテムラのある漆喰の白、木目が浮き出る白塗装された木の白、硬い質感が出た石の白、ペンキで仕上げられた無機質な白、質感の異なるものを組み合わせること。
それが空間の風合いのようなものを作りだしていきます。

2.光

太陽の光をコントロールすることは、住む人の暮らしを健康で快適なものにします。

また、光の移ろい方、緑からこぼれる木漏れ日、そのようなものが建築に物語を与えます。
季節や時間によって異なる光の入り方をコントロールすることで、生活に彩を与えます。
夜でも白い壁と天井の中、明るい光で照らされていることはあまり良くないように考えます。
照明は空間全体を明るく照らすべきだと考えがちですが、実際は必要なところに必要な光があるだけで問題はありません。
照明の量と位置をデザインすることで、室内に明暗ができ、むしろ心地よく落ち着いた空間になります。
私たちは、建物の条件や敷地に関わらず、常に光を大切に考えて設計をします。

3.空間の広がり

私たちは平面的な広さではなく、空間的な広がりを大切にしたいと考えています。
例えば、窓の位置を工夫したり、吹き抜けを作ることによって面積以上に広がりのある空間を作り出すことができます。
また、初期段階から3次元化し設計を進めることで、視線の抜けや、それぞれの場所の関係性を考えながら、空間を設計します。

4.温熱環境

建築家の住宅は夏は熱く、冬は寒いというイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。
北海道の気候の中で、不十分な断熱性能の家を作るということは生死にすら関わる問題です。
私たちは氷点下20度を超える土地で住宅を建てる以上、表には見えてこない断熱性能、熱環境も含めてデザインであると考えています。
ただ数値として断熱性能を上げるだけではなく、夏場は日射を遮り涼しく過ごし、冬場は日光を取り入れ暖かく暮らせるようなパッシブエネルギーのコントロールも大切にしています。
熱環境のデザインによって、どの部屋でも不快感無く快適に過ごし、ランニングコストを大幅に下げることは設計をする上での大前提として考えています。

5.変化する

住宅は数十年もの間移動せずそこに建ち続けます。
構造体が耐久性を持ち続け、地震や異常気象に耐え続けるということは大前提として大事なことです。
経年美化したり、自分でメンテナンスできる自然素材を使うこと。必要に応じて修繕できること。
そして、建て主のまわりの生活環境も変わっていく中で、それに対応し改修できるようにすること。
年月の流れに耐えうる設計を考えていくことはもちろんとして、それ以上にその建物が愛され続けられる、そんな建築を目指します。

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